2006年07月05日
Bell Boy
街は、すっかり様変わりしてしまった。
と、言うより、私が年をとってしまったと言う方が、正しいのだろう。
今日のような雨の日には、一滴も濡れることなく、目的地に着くことが出来ていたのに、もう地下街の迷路のような抜け道を、把握することができなかった。
目印になっていた、店と言う店が、すべて変わってしまっていたからだ。
私は、せっかくパンくずを捲いたのに、小鳥に食べられてしまって、家に帰られなくなってしまったかわいそうなヘンゼルとグレーテルのような、絶望的な気分だった。
街は、賑やかで華やかで、大好きだった。
必ず偶然誰かに会い、お茶を飲んだりもした。
お店のお姉さんたちは優しく「こんなの好きだったでしょう?お取り置きしておいたんだけれど・・・」と、BIGIやMOGA、メルローズやコムデギャルソン、ワイズなんかの服やBAGを次々と取り出してくれた。
その頃の私は、とってもバブリーだったので、よく見もしないで、それらを満足げに購入したものだった。
喫茶店もBARもDISCOも、みんなみんな友だちの店だった。
でも今は、その消息さえ知らないのだから、本当に友達だったのかどうかは、よくわからない。
携帯電話もなかったので、待ち合わせの場所に『いい加減な理由』で誰も遅れたりはしなかったし、何よりも私はあの【Bell Boy】が大好きだった。
ホテルニューオータニの明るいカフェに、♪チリン、チリンと、ベルが鳴り響く。
それは、決して人々の会話を邪魔することもなく、それでいて、カフェ全体に聞こえる、そんな優しい音だった。
帽子をきちっとかぶったBell Boyが、「○○様」と書いたカードを持ち、優雅にベルを鳴らしていく様を見るのがとっても好きだったなぁ・・・・などと、おばちゃんは、昔を懐かしんだりするんだよなぁ。
◆わん&にゃんずと一緒に◆のあやぽんちのにゃんずたちも、暑くてダレダレみたいだよ。
投稿者 *mieko : 2006年07月05日 21:29
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL:
http://mieko.cside.com/blog/mt-tb.cgi/2716